【書籍レビュー #3】人間関係をしなやかにするたったひとつのルール
変えられるのは相手か自分か
二つの心理学
筆者によると、人は以下の二つのタイプに分けられるとしています。
- 相手は変えられるものだと考える人
- 変えられるのは自分だけだと考える人
前者を「外的コントロール理論」と呼び、後者を「選択理論」と呼びます。
これら二つの心理学で問題なのは外的コントロール理論です。なぜなら人は
- 自分のことは自分で決めたい!
と言う心理を持っているためです。お前のためだとか、君はそっちが絶対に向いているはずだとか言われると腹が立ちますもんね。
いやいや、自分は相手をコントロールしようとなんてしてないぜ?と思った場合でも、
- どうしたら消費者に買ってもらえるかな
- 子供に宿題をやらせるにはどうしたらいいかな
- 相手に分からせるにはどうしたらいいんだろう
といったフレーズが飛び交っているはずです。そうです、じつは無意識のうちに「人は操れるものだ」と考えてしまっている可能性があります。
一方で選択理論を身につけた場合は、相手と自分を切り離して考えることができます。
たとえば
- 上司から怒られた、ツライ!
という状況において、選択理論では
- 上司の機嫌は変えられないから、自分は自分のできることに集中しよう
と考えられるわけです。よく変えられるものだけに集中しようと言われますが、選択理論では自分に注目していくことになります。
また、そもそも相手と自分を切り離して考えているので、相手が違う意見を持っていてもお互いを尊重できるようになります。
期待を押し付けたらアウト
コミュニティに属する以上は、相手に〇〇してほしいなぁと思う場面はいくらでもあるはずです。ここで大切なのは
- 期待するだけなら何も問題ない
ということです。
相手をコントロールしようとする人は、期待に沿わない結果を許せません。その結果、期待を押しつけるような以下の行動を起こします。
- 文句をいう:自分は正しくて相手が間違いだと思っている
- ご褒美をあげる:罰で相手を操作しようとするのと同じ
相手を非難したり、罰を与える以外にも「相手は間違っていて自分が正しい」という心理が働いている行動はたくさんあります。
これ以外にも結婚や昇進で
- 自分がしっかりしなきゃ!
と意気込んでしまう場面でも注意が必要です。どんな関係になろうと自分は相手を操作することはできないと自覚しておく必要があります。