【書籍レビュー #3】人間関係をしなやかにするたったひとつのルール
変えられるのは相手か自分か
二つの心理学
筆者によると、人は以下の二つのタイプに分けられるとしています。
- 相手は変えられるものだと考える人
- 変えられるのは自分だけだと考える人
前者を「外的コントロール理論」と呼び、後者を「選択理論」と呼びます。
これら二つの心理学で問題なのは外的コントロール理論です。なぜなら人は
- 自分のことは自分で決めたい!
と言う心理を持っているためです。お前のためだとか、君はそっちが絶対に向いているはずだとか言われると腹が立ちますもんね。
いやいや、自分は相手をコントロールしようとなんてしてないぜ?と思った場合でも、
- どうしたら消費者に買ってもらえるかな
- 子供に宿題をやらせるにはどうしたらいいかな
- 相手に分からせるにはどうしたらいいんだろう
といったフレーズが飛び交っているはずです。そうです、じつは無意識のうちに「人は操れるものだ」と考えてしまっている可能性があります。
一方で選択理論を身につけた場合は、相手と自分を切り離して考えることができます。
たとえば
- 上司から怒られた、ツライ!
という状況において、選択理論では
- 上司の機嫌は変えられないから、自分は自分のできることに集中しよう
と考えられるわけです。よく変えられるものだけに集中しようと言われますが、選択理論では自分に注目していくことになります。
また、そもそも相手と自分を切り離して考えているので、相手が違う意見を持っていてもお互いを尊重できるようになります。
期待を押し付けたらアウト
コミュニティに属する以上は、相手に〇〇してほしいなぁと思う場面はいくらでもあるはずです。ここで大切なのは
- 期待するだけなら何も問題ない
ということです。
相手をコントロールしようとする人は、期待に沿わない結果を許せません。その結果、期待を押しつけるような以下の行動を起こします。
- 文句をいう:自分は正しくて相手が間違いだと思っている
- ご褒美をあげる:罰で相手を操作しようとするのと同じ
相手を非難したり、罰を与える以外にも「相手は間違っていて自分が正しい」という心理が働いている行動はたくさんあります。
これ以外にも結婚や昇進で
- 自分がしっかりしなきゃ!
と意気込んでしまう場面でも注意が必要です。どんな関係になろうと自分は相手を操作することはできないと自覚しておく必要があります。
【書籍レビュー #2】悩む力
本書のミソ
IQは遺伝で決まるが、IQがいくら高くても偏った判断をしてしまう。
頭が悪いから...と悲観する必要はない。前提を疑い、偏見に左右されない合理的な判断をする思考を鍛えることこそが天才に勝つ唯一の方法である。
クリティカルシンキングとは
- 思い込みを排除して、精度の高い証拠をもとに意思決定を行う思考
です。筋道立てて考えるロジカルシンキングに対して、クリティカルシンキングはそもそもの前提を疑います。
クリティカルシンキングができる人は、ざっくりと以下の特徴を持ちます。
- 本質を見つけようとする。共通点や特徴が気になる。
- 色々な分野からデータを集め、それらが本当に正しいかを調べようとする。
- 自分の好みに左右されていないか?と問いながら、たくさんの可能性を考える。
ようは好奇心旺盛で、ちゃんとした根拠に基づいて、たくさんの可能性を考えられる人ですね。
クリティカルシンキングの実践
「なぜ?」ではなく「何?」
疑問を持ったときには「何?」で考える癖をつけると、より合理的な判断ができるようになります。
たとえばプレゼンで失敗し
- (良い例)何が原因で失敗したのか
- (悪い例)なぜ失敗したのか
の二つで考えたとします。前者では被害者意識が減少し、より建設的な分析ができるとされています。後者だと、自分はどうせプレゼンが下手だから...とか悲観するだけで終わりそうです。
要するに「何?」で考えることで、一歩引いて分析できるためクリティカルシンキングのトレーニングになります。
ソクラテス式問答法
クリティカルシンキングの基本は自問形式で思考を整理することにあります。その時の指標がソクラテス式問答法です。
まず何か問題に対するアイデアを考えます。そのアイデアを以下の手順で整理します。
- どうして正しい(違う)と思うの?
- その根拠は「事実」と「感情」どっち?
- その根拠って本当に正しいの?
- 他の人だとどう考えるかなぁ?
- 偏った証拠しか調べてないんじゃない?
- 何か誇張して考えちゃってない?
- いつもの思考のクセが入っていない?
- 実は他の人の影響が入っていない?
- 上手くいきそう?最悪は想定している?
ちなみに他人に対して行う方が簡単です。客観的に行えるためです。そのときは上のテンプレに沿うのは難しいので
- 問題設定:方法、時間、具体的な例を聞く
- 前提:問題になった経緯、仮定を聞く
- 証拠:理由や理屈、実例などを聞く
- 視点:他に考えられないかを聞く
- 結果:結果や成功確率を聞く
- 疑問:どこでアイデアや疑問を思いついたか
の視点で聞いてみます。
例として、
- 配属先が叶わず仕事をやめようかと思っている
という友人に対しては
- 問題設定:「仕事が面白くないって予想しているから?」
- 前提:「配属先では本当にやりたいことができないの?」
- 証拠:「配属先が叶わなかった先輩はみんなつまらなそうなの?」
- 視点:「希望しない配属先だからできることはないの?」
- 結果:「配属先で面白くないと思う確率はどのくらいなの?」
- 疑問:「面白くないって感じたのはどんなとき?」
といった感じで質問を広げていきます。まぁ書いてて思ったのですが、会話の中でどの質問するかなんてイチイチ考えていられませんよね。
とりあえず、何が問題なのかという話のテーマを決めるとこに集中しましょう。そしたら臨機応変に「どうしてそう思うの?」「それって正しい?」「他にないかなぁ?」でなんとかなりそうな気がします。
ペンで行う弁証法
問題にはメリットとデメリットがあります。これらを書き出して、いいとこ取りしたアイデアを得るのがこの方法の目的です。
例)お金をかけずに休日を充実させたい
- メリット:休日を充実させたい
- デメリット:遊ぶとお金がかかる
この例ではメリット・デメリットというよりは「お金をとるか、遊びをとるか」というトレードオフの関係になっています。
ここから導く答えは一つではありませんが
- 休日に勉強してみる
という方法などがありそうですね。このように紙に良い点と悪い点を書き出すことで脳が新たな視点から働き出します。
CAT法
CAT法とは「短時間でとにかくアイデアを出して質問する」という方法です。時間制限が大事になる点でゼロ秒思考に近い方法ですね。
手順としては、何かのテーマについて5分以内で答えを書き出します。この時バカみたいな回答でもOKです。その後に
- どの回答が一番大事か?「難しそう...」などの印象や、それを感じた理由もあると良い。
- 何かわからないことはないだろうか?
- 以上を踏まえて何をすべきか?
で深めていきます。
具体例を見てみましょう。ここでは
- 新しい職場で楽しむにはどうすれば良いか?
というテーマを設定しました。これに対して
- 人間関係を良好に保つ
が一番大事だと感じました。これに対して
- 大事なのはわかっているけど、相手も知らなければ仕事もわからないからどうしようもない。
と思っています。ここに疑問を考えて
- どう振る舞うかは自分次第なのだから、自分主導で何かできないだろうか。そもそも会話が不安でどうすれば良いかわからない。
ということが浮き彫りになったので
- 対話不安の対策を調べてみよう。
という結論が出てきました。
この方法では時間制限によって、普段と異なる方法で脳を刺激します。短時間で本を読む場合にポイントだけを拾おうとするのと似ています。
これを応用すれば、熟考してうまいアイデアが出ない時はあえて時間制限を設けるという有効な手段にな理想です。
他人に判断の根拠を聞く
他人との議論でアイデアを洗練させることができます。しかし普通のディスカッションでは「自分のアイデアが一番だ」と思って参加し、バトルが起きてしまうことも多々あります。
そこで以下のポイントを押さえましょう。
- 自分の意見の優位性なんてどうでもいい
- どうしていいと思ったかの「根拠」をぶつける
議論は論破の場ではなく、より良いものを生み出す場所です。なので自分の意見を無理やり通そうとするのは愚の骨頂です。
人間は直感で判断してしまうことが多く、意外にも「それいいかも!」の根拠を答えられられません。そこで直感ではなく根拠に焦点を当てます。
また議論はなるべく価値観の異なる人で行うようにしましょう。同じ意見では偏見を打ち破るアイデアは生じにくいです。
事実を分析する
クリティカルシンキングを行うには事実ベースの思考が必要不可欠です。このトレーニングを紹介します。
その手順は以下の通り。
- 答えの出ない問いを決める
- 事実だけを書き出す
- ソクラテス式問答法で分析する
例えば
- 20代は貯金すべきか
という問いに対する事実は
などがあります。これに対して、例えば
- 20代でしか遊べないのか?そもそも遊びの具体例は?
とソクラテス式問答法を行います。
要するに、それってあなたの感想ですよね?を意識して議論を深めていくのがこのトレーニングのキモです。
クリティカルシンキング的計画
目標達成のためにWOOPの方法があります。ざっくり言うと
- 願望:何を達成したいのか
- 成果:ベストな結果は何か
- 障害:何が障害になるのか
- 計画:どうすればいいか
の手順になります。
ここで大切なのは「計画」です。以下の二点を守りましょう。
- もし〇〇なら××するで決める
- 好奇心に沿ってとりあえず試してみる
特に後者のポイントではソクラテス式問答法を用いて、これまで行っていない手法を試してみましょう。とりあえず試すの精神も大切です。
【書籍レビュー #1】無理なく限界を突破するための心理学「突破力」:バイアスから脱出し最大限の能力発揮するテクニック
本書のキモ
”限界を超える”なんていうのは不可能。だから自分の限界を知り、その中で最大限の利益を求めることが必要なんじゃない?
自分の限界はどこにあるのか
自分は努力次第でなんでもできる!というのは幻想にすぎません。現実を見ると
- 身長は変えられないしなぁ...
- IQ上げるの無理!
といった感じで、大体は遺伝と環境で決まっちゃうわけですね。
しかも限界というのは状況によってコロコロ変わります。二日酔いで集中できないのとか、嫌な上司のもとで働くと不安になっちゃうとか色んな要素が関係するんですね。
だから大事なのは
- 生物学的な限界は認めよう
- 自分の中の限界は試してみつけよう
という二つのポイント。
身長とかIQとかの遺伝で決まっちゃう限界は飛躍的に改善できないと認めないと先へ進めません。そして、それを認めた上での限界はとりあえず試してみないと分からないんですね。だって色んな要素が関係しているから。
あーまたそのパターンか。と思いたくなっちゃいますが、大事なのは本当に上のポイントを理解できていますか?ということ。
もっと言えば、
- バイアスに引っ張られて限界突破しようとしてない?
ということを振り返って、対策することが合理的な判断につながるわけです。
バイアス対策のテクニック
バイアスを対策する上で重要になるのは
- 客観視をする
- 極端な判断はしない
- 細分化をする
という3つのポイントです。具体的なテクニックは以下の通り。
比較するときは並べない
何かを比較するときは必ず一つ一つを見るようにします。データを並べると他のデータに引っ張られてしまうからです。
- 例)極端に安い物件を見ると他が異様に高く感じてしまう
最高と最悪の中間を選ぶ
物事の比較や判断の際は最悪の例を想定し、その対策を練ることは良い判断の基本ですが、最終的に迷ったら中間を選ぶようにします。この判断には想定した対策を踏まえられると良いです。
- 例)出社してコミュ力を鍛えたいけど、人間関係がもつれて病んでしまうかもなぁ。だったら週2~3回テレワークができる職場を選ぶかー。
分割して考える
曖昧な判断をしないためにも、なるべく細分化して考えるのがコツ。具体的な想定がバイアス克服につながります。
- 例)今年は100kgベンチを上げるぞ!そのためには来月までに80kgを目標にすればいいか。それを実現するトレーニングは...
時間をおく
判断は時間を置いて落ち着いてから見直すことで客観性を補うことができます。時間がないときは第三者に見せるというのも良い方法です。
- 例)これ買った方がいいかなー。とりあえず明日また考えるか。
if thenプランニングをする
バイアスに引っ張られず行動するためには具体的なトリガーを想定するのが良い方法です。
- 例)もし定時で帰れたら、夕食前に30分だけ統計の勉強をする。
休憩時間には関係のないことをする
同じことを続けていると脳が慣れてしまい、バイアスの影響を受けやすくなります。そこで休憩時間をとってリフレッシュしましょう。特に有効なのは新しいスキルを学ぶことです。
- プログラム書いていたから、30分テニスしてリフレッシュしようかなー。
相手に意識を向ける
自分で精一杯な人は視野が狭くなりバイアスの影響を強く受けます。これを改善するためには感謝の日記などで他人に目を向けるのが良い方法です。難しい場合は家計簿をつけるなどでもOK。
- 例)自分は失敗ばかりで無能だ...でもここまでできたのは皆のおかげだ。次はもっと練習して成果で皆に恩を返そう!
典型的なバイアス
じつはバイアスを知ることが一番簡単なバイアス対策になります。そこで本書から7つを厳選してバイアスを紹介します。
高感度ギャップ
何の根拠もなしに嫌われたと思ってしまう。特に初対面でなんか「うまくいかなかった...」というのはこのバイアスのせい。
- 対策)たいていの場合は、相手は自分が思うよりも好意を持っていることを自覚する。
価値フィルタ
自分の価値観に沿って相手を判断してしまうバイアス。たとえば努力が全てと思う人にとっては、残業している人に好意を抱きやすくなる。
- 対策)判断するときは「これって俺の好き嫌いが入ってるんじゃ...?」と疑ってみる。
潜在的差別
心の奥底で弱者を馬鹿にしてしまうバイアス。たとえば聞いたことのない大学出身の人が自分よりも劣っていると思ってしまう。
- 対策)自分は平等だ!と思っていても、バイアスが隠れていることを自覚しておく。
ネガティブ
マイナスなことに意識がむくバイアス。嫌なことに囚われてしまい、それ以外に目が向かなくなってしまうことで失敗が増える。
- 対策)なんだか上手くいかないときは、嫌なことにだけ目を向けていないか確認する。
単純緊急性効果
重要度よりも締切が近いものを選んでしまうバイアス。重要だけど先のことを軽んじてしまう。
- 対策)「締め切りだけで選んでいないか?」と自問する。
隠れナルシスト
自分は平均以上だと思い込むバイアス。言葉だけで行動に移さない。批判に弱くなり努力をしなくなる。
- 対策)どうして認めてくれないんだ!じゃなくてもっと頑張って周りに貢献しよう!と思うようにする。
真実隠蔽
自分の気持ちや考えを言うと嫌われると思ってしまうバイアス。言っていることが相手に依存して信頼されなくなる。
- 対策)正直に言っても人間関係はびくともしない。むしろ好転する。自分の正直な感情と矛盾しない発言を心がける。
バイアス対策トレーニング
上でバイアスを見てきましたが、結局バイアスを乗り越えるには何をすればいいのか?に対する答えは
- 常に一歩引いた視点で考える「客観性」をトレーニングしよう!
ということになります。自分に囚われるなということがキモなんですね。
本書によると客観性を鍛える有効的なトレーニングは以下の三つです。
トレーニング:セルフモニタリング
自分の行動や感情を観察・記録することで自分に対する客観性が育ちます。特にこれを行う場合には
- 何が「楽しい」と思ったのか
- 何が「達成感」につながったのか
ということに注目することで、あいまいな感情に流されず正しい行動をとることができます。
トレーニング:批判的思考
物事を批判的に捉える思考法です。IQの高さとは相関が薄く、この思考法を身につけることで感情に流されず合理的な判断ができます。
詳しくは以下を参照してください。
(準備中)
トレーニング:知的謙遜
自信のある分野かどうかに関わらず「まだまだ」だと思えるかどうかで判断します。この能力がないと、自分は物知りなんだと思い込んで変な判断を下してしまいます。
知的謙遜を鍛えるには以下の三つを意識します。
- 人に教えてみる。
- 自分のトラブルを相手のトラブルだと考える。
- 周りに人がいるときに判断する。
人に教えてみると、たいていは上手くいかないことが分かります。そこは理解が及んでいません。この事実を受け入れ「自分はまだまだだ」ということを自覚します。
また人間は自分の問題を軽視する癖があります。そこでトラブルを他人事で考えることで客観性を取り戻します。
実際に人がいる場合でも似たような効果が生じます。たとえ会話をしなくとも、周りの目があることで独りよがりな判断を防ぐ効果が生まれます。
修論発表まで耐えられるのか【残り6日】
日に日に迫ってくる発表会。そして見返せば見返すほど情けなくなる自分の研究とスライド。残すは本番だけなのだが、うまくいくとは思えない。
少しの時間耐えるだけでいいとは分かっているが、本当に怖いのは終わってからの時間。反芻的に思い出してしまうトラウマになるのではないだろうか。もっと自分に自信がなくなってしまうのではないだろうか。
先輩いわく、終わった後は開放感で満たされるらしい。そんな先輩の発表はうまくいっていたように見える。本当に炎上した場合は開放感などあるのだろうか。むしろ穴に隠れるようにビクビクしてしまうのではないだろうか。先生や先輩にどんな顔して会えばいいのか。後輩には何てクソな先輩だと思われるのではないだろうか。
こんなネガティブ思考を逆手にとって最悪の状況を想定してみようと思う。ただし遅刻してしまった。卒業ができない。というのはここでは扱わない。なぜなら前日は絶対に寝れないからだ。それは作業が山積みということではなく、メンタル的な問題だ。
最悪な状況
- 緊張して時間におさまらず最後は流して終了。
- 先生たちには何も伝わっていない。呆れられる。どうして練習をしなかったのか。準備不足だこいつは。と思われる。
- とりあえず前半の穴を突かれる。しかも痛いところに。
- うまく答えられないのが分かっているが、なんとか誤魔化そうとして支離滅裂な回答をする。先生からは学力だけでなく、対話能力の無さにも呆れられる。
- かわいそうに思ったのか他の先生が優しい質問をかける。前提知識を問うものだ。自分は情けをかけられていることに気がついているが、その質問にも答えられない。指導教官の顔を見ると完全に呆れている。
- 他の先生からはこいつには何を聞いてもダメだと思われている。だから難しい質問ではなく、それは〇〇ということでしょうか?という確認の質問がくる。自分はよく分からず「はい、そうです」と答える。先生はまぁそうだろうなという表情で質問を終える。
- 時間が余ってお通夜状態のなか、空気を読まない先生が追撃してくる。さっき適当に答えた部分に大きなミスがあったようだ。
- あたふたしていると終了のブザーがなる。指導教員は目を合わせてくれない。
- 終わったあとは誰とも顔を合わせられない。恥しかない。
こうして書いてみると無限にストーリーが湧いてきそうだった。文章に書き起こさずとも毎日こんな状況を考えているのだから恐ろしい。
とはいってもこの想定を踏まえて対策ができそうだ。少し考えてみる。
- 1,2の解決策:時間に余裕を持って結論スライドに入るようにする(最悪飛ばして時間調整ができる)
- 3,4の解決策:スライドに書いたことは入念にチェックする。派生した質問であれば答えられなくても仕方ないと割り切って回答する。
- 5の解決策:前提知識といって視点が異なると簡単じゃない。だから複数のテキストを使って広く浅く予習しておく。
- 6の解決策:それはこういうことでしょうか。質問の意味が分からない場合は言い換えてもらえるようにお願いする。自分の土俵で戦うように心がける。
- 7の解決策:適当に答えたのが一番の原因だ。答えられる部分だけ答えるようにすれば、知らなくても大丈夫。少なくとも誤魔化した部分の発展話題よりも勝ち目はある。
- 8の解決策:後で謝罪しに行けばいい。これまで頑張ってきた様子は見てくれているから、ただダメな子なんだなで済む話。誤魔化して信用のないやつからは逃れられる。
- 9の解決策:実際に会う機会なんて多くない。むしろ周りも気を遣ってくれているはずだ。ダメな先輩でもダメな後輩でもダメな学生でもいい。完璧な人よりも人間味がある。
とまあ、結局なんの解決にもなっていないわけである。ただしリカバリーはできる部分があるようだ。
要約すると
- 死ぬ気で準備しろ
- 答えられない時はごまかすな
- 呆れられてもアホ人間くらいで終わる
ということになる。特に発表内容的には
- 書いたことは周りも含めて抑えておけ
- 全ての回答は間違えていても自分なりの根拠を持つ
ということを意識してみようと思う。
後少し。多分というか絶対にきつい時間になるが、なんとか突破したい。
修論発表まで耐えられるのか【残り11日】
今日はずっと家にいる。朝起きてからずっとデスクについている。
さっきまで15時くらいだったと思うが気付けは夕飯を食べ、すでに20時を越している。やらないといけないことが積もっている。まず間に合わないんだ、これが。
受験勉強はやればやるだけ進む気がするが、今はそうじゃない。時間に比例して先に進めない。今が一番辛いと思いたいだけなんだろうか。
なんだか今日はメンタルが悪化していない。昨日の夜は寝付けなくて体調がいい訳じゃない。体のことはよくわかんねえな。
書いていて毎回同じことばっかになっている。嫌だけどこれが現実だ。この二年間毎日こんな状況だったなぁ。
もうすぐ解放される訳だが、それまでがしんどすぎる。金ないから奨学金の免除を取りたい。でも自分の内容で取れる訳ない。断定している割には、どっかで可能性を感じてしまっているから諦めきれないんだな。
本当に嫌なのは金か?考えるたびに違うような気がしてきた。本当に嫌なのは周りからの目だ。周りを気にしない?無理だろそんなの。まず明日までになんとか一旦まとめ上げないと。時間がない。
修論発表まで耐えられるか【残り12日】
今日は朝(昼)から学校だ。何当たり前のことを。と思うだろうが、自分の研究室は完全に夜型なのでこれでも早い方なのだ。
用事を済ませた後は研究室でパワポの作成を進めたが、一向に進歩はない。クソである。
日に日に嫌な気持ちと焦りが加速する。毎日必ず落ち込んでいる。
先輩はすごくいい人たちだ。忙しいのにもかかわらず、修士のことを気にかけてくれる。本当にいい先輩を持ったと改めて実感した。しかし有能すぎるあまりに比較して自信を失ってしまう自分がいる。なんだこりゃ。
昨日から100ワニみたいなブログを書き始めた訳であるが、書いている間はなぜか楽しさと罪悪感でいっぱいになる。こんなクソ文章書くくらいなら、できることを進めろよ。
しかしまあ見返してみると酷いものだ。書いていても思うが、実力ないくせに完璧主義を拗らせている。実力以上に評価されようとして空回りしている気がする。
スライドはできる限りよくしよう。質疑応答はできる限り対策しよう。できる限り...はぁキリがない。コスパの良い行動したほうがいろんな意味でうまくいきそうなのは分かっている。分かっているけどできない。思考の癖みたいなものなのだろうか。
最近本当に頭が動かない。ストレス反応が過剰だ。もう嫌だ。早く終わってくれ。不安に思考が持っていかれて作業が進まない。そしてまた自分を責める。完全にこれ悪循環だわ。
程よく終わらせるにはどうすればいいか。うーん。時間に比例して良くなる訳じゃないんだからメリハリが大事だよ!とかいうのも承知済み。
とりま明日までにスライドは完成させなきゃな。まぁ時間的に無理なんだけど。考えてなんとかなるならやりたい。本当に頭が働かない。言い訳だとは思います。でも脳が拒否している。
とりあえず風呂でも入って落ち着こう。
修論発表まで耐え切れるか【残り13日】
修士論文の発表まであと13日。ものすごいストレスで毎日しんどい。
周りやネットを見ると修論提出の方が大変だと思う人が多そうだ。確かに修論を書くのは体力的にしんどかった。でも自分の場合は提出後の方がメンタルがやられている。
あんなクソみたいな修論を提出するだけならまだしも、クソみたいな研究内容を先生の前で発表するとか正気じゃない。もちろん、クソとは言っても何も成果がないわけではない。でも正直レベルは低くて見ていられない。
こんな自分でもサボってきたわけじゃない。むしろこの二年間ずっと頑張ってきた。その結果がこの程度だ。自分の実力のなさに絶望する。
発表自体はそこまで苦ではない。コミュ障ではあるが、話すだけならなんとかなる。本当に怖いのは質疑応答。まず間違いなく答えられないだろう。なんで自分のやってきたことなのにこんな状況なのか。ずっと分からないまま研究を進めてきてしまったツケじゃないか。
研究室内の練習ではレベルの低さに呆れられているように感じる。頭の良い人たちが自分の研究について話している姿を見ると心が痛まる。ましてや質問などは答えられるレベルではない。前提がまず分からないことだらけなのだ。
分からないなら対策すればいいじゃないか。心の中ではわかっている。ただ自分で考えても間違った理解になっている。質問しに行けよと思うだろうが、数が多すぎて申し訳なくなる。全て対策しないといけないと思うのは、自分が完璧主義だからなのだろう。
今は発表用のスライドの作成をしている。先輩たちのスライドを見るたびに自分のスライドのクオリティや論理構成に嫌気がさす。ちゃんとできるように考えている。ずっと考えている。でも全然うまくつながらない。論理破綻しているのは分かっているけど、うまく修正できない。
今週は今週で発表練習を控えている。それまでに完成させないとまずい。焦りで死にそうになる。さっきまでパワポの構成を考えていた。我ながらクソみたいな構成だけど、もう時間がない。早く取り掛かれよ、自分。
頭がうまく働かないが、少しだけ作成しよう。情けない。
------追記(21:00)---------
先輩のスライドを参考に手を動かした。うまくいった先輩のスライドは図が綺麗で文字が少ない。スライド作成のコツを完璧に抑えている。すごい。何よりも、発表用メモの論理がスムーズだ。こんなにバッチリ準備されたものがお手本にあるのは心強い。そのかわりプレッシャーもすごい。自分のものと比較してしまう。でも、先輩のスライドのおかげで少しは前進できそうだ。
とりあえずジムが閉まってしまう前にシャワーだけ浴びてこよう。運動はメンタルに直結するということを最近は特に感じている。帰宅したらまた再開する。
------追記(25:12)---------
ジムから帰宅して1,2時間作業した。作業といっても脳死で図を作成しただけ。少しはマシになったと思うが、デザインに統一感がない。というか頭を使った作業ができていないことに危機感を覚える。質問対策すれば頭を使うことになるが、間違いなく逃げている。
日付が変わってしまったが、明日は朝から学校で用事がある。ぼちぼち寝ないといけないけど、最近寝つきが悪く、浅い眠りになる。睡眠障害は前から起きていたが、ストレスのかかる状況で毎回起きるのは本当に辛いなぁ。卒業してからも同じようなことになるだろう。はぁめんどくせぇ。